植物ワクチン接種苗とは

ウイルス病から作物を守る
植物ワクチン接種苗

開発背景

 植物界におけるウイルス病は不治の病であり、国内における農作物の被害総額は年間1,000億円以上とも試算され、全世界では5兆円とも言われています。

 これらの被害は、化学農薬や耐性・抵抗性品種だけでは十分に防ぐことが困難であるため、ベルグ福島は植物ワクチン技術を利用したワクチン接種苗の実用化開発への取り組みを開始しました。

 植物ワクチン技術は、同じ種類の植物ウイルス同士が同一植物に同時に感染できない現象(干渉効果)を利用して、病原性の無いもしくは極めて低い弱毒ウイルス(植物ワクチン)をあらかじめ植物に接種しておくことで、その後同じ種類の病原性の高い強毒ウイルスの感染を防ぎます。これは、高い防除効果を示すだけでなく、品種を問わず抵抗性を付与することが可能であることに加え、有機栽培での使用を認められている環境安全性の高い防除技術です。

 本技術の発展は、農作物の安定生産・安定供給と化学農薬のみに依存しない環境保全型の発展に大いに貢献できるものです。

植物ワクチン接種苗

農家向けに販売されている接種苗

キュウリ苗

ZYMV接種苗
(1種ワクチン)

アブラムシが媒介するZYMV感染によるモザイク病と萎凋病を防ぐ

CMV/WMV接種苗
(2種ワクチン)

アブラムシが媒介するCMV・WMV感染によるモザイク病と樹勢の衰えを防ぐ

ZYMV/CMV/WMV接種苗
(3種ワクチン)

3種モザイクウィルスすべてによる被害を防ぐ(萎凋症)


栽培方法を変えずに病害リスク減

 ウイルスの病原性を弱めた弱毒株(植物ワクチン)を植物体に接種すると、同種の病原ウイルスは後から植物体に⼊れなくなり病気が起きません。これが植物ワクチンによる予防です。

 青果物に影響のない弱毒株を選抜しているため、ワクチン接種苗から収穫した青果物は、見た目・味への影響はありません。また、栽培方法は、通常苗と比較して肥料の追加が多くなるケースがありますが、基本的にはどちらの苗も同じように栽培することが可能です。

ワクチン無接種区
ワクチン接種区

収穫量は従来の1.6倍増

 ウイルスが流行している地域において露地夏秋栽培の収穫量を比較した結果、ワクチン接種苗は通常苗と同じ期間の場合で約1.3倍増加しました。また、ウイルス病による被害が軽減されたことにより収穫期間が1カ月半延長し、最終的な収穫量は約1.6倍増加しました。

※接種苗の使用による収穫量の増加並びに栽培コストは、栽培地域のウイルス環境によって変わります。

実証された安全性

 生産者の皆様に、より安心して弊社商品を使用いただくため、ワクチンの安全性評価を実施しています。

 ZYMV用ワクチン「“京都微研„キュービオZY-02」を農薬登録する際に、マウスを用いたヒトに対する安全性試験が行われ、ワクチンがヒトに対して感染や悪影響を及ぼす懸念はないと科学的に評価されました。また有史以来、植物ウイルスが人を含めた動物に感染した、また何らかの影響をもたらしたという報告もありません。

 当社製品の「ウイルスガード苗CW」と、「ウイルスガード苗ZCW」に使用される2種混合・3種混合ワクチンについても同様に安全なものといえます。

 作物・環境への影響については、ZYMV用ワクチンは生態系ではすぐさま分解され拡散・残留する可能性はなく、淡水魚などの環境生物への影響は問題にならないと科学的に評価されています。2種混合・3種混合ワクチンについても同様に、環境に対する安全性評価や、実用性評価を実施し、作物や環境への影響はないと評価・認識されています。


植物ワクチン接種苗の生産工程

培養

製剤

接種

育苗

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